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中学生時代 - 『オール・マイ・ラヴィング』を読んで 

これまで、見知らぬ人の書いたものに触発されたり、共感したり、というのは

専ら作家の作品や、文芸誌・新聞などの寄稿といった紙媒体に印字されたものでした。

それが、昨年からはじめたツイッターでは、お会いしたことのない方と

観た映画や読んだ本などについて親しくやりとりする機会ができました。

映画『海炭市叙景』を観てくださった@bacuminさんは、そんな、会ったことはないけれど、

とてもシンパシーを感じる方です。

いつも素敵な俳句や音楽を紹介してくださるのですが、そのことば、関西弁がなんとも味わい深く

ツイッターやブログを読んでると、こころが和むのです。

そのbacuminさんがDMで教えてくださったのが

岩瀬成子さんの『オール・マイ・ラヴィング』という小説でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビートルズが大好きな女子中学生の物語です。

絶対気に入ると思う、という彼女の予想通りです。

すごくよかったです。

一部分だけ抜き出すことができないくらい(全部書きたくなるので)文章もいいのですよ。

主人公の喜久子ちゃんのビートルズに寄せる想いの熱さはもちろんですが、

彼女の家族・父や姉、文房具店のご主人やおばあさん、転校生の白石さん、幼なじみ、

みんな愛おしくなります。

ユーモアも涙もあり、で胸がいっぱいになること請け合います。

むかし、『青春デンデケデケデケ』という芦原すなおさんの小説を読んだことがあります。

あれはベンチャーズのエレキに魅せられた男子高校生のバンド事始め、でした。面白かったです。

この『オール・マイ・ラヴィング』は、それ以上。ビートルズ世代の女子中学生という、まさにわたしの物語でした。

 

わたしにも喜久子ちゃんと同じく商業高校に行ってる三つ違いの姉がいました。

プレーヤーが姉のものというのも同じです。

その姉が高校、わたしが中学へ入学する春、なぜかビートルズのレコードを買ってきたのです。

夢中になったのはわたしの方で、姉はその後さほどビートルズに興味を示しませんでした。

わたしは、ジョージ・ハリスンの写真を貼った手製のか紙袋を持って歩いていました(笑)

洋楽ベスト30を毎週聴いて手帳につけていました。

 

中学生

それは、それまでの小学生のおこちゃまな日々と全然違っていました。

授業は科目別になり、個性的な先生が時間ごとに替わります。

中間・期末考査というテストでは成績が学年順位で発表されたり。

なにより、父兄(そのころは父母ではなく父兄でした)同伴じゃなくても映画に行けました。

函館にも映画館が20以上ありました(現在はシネ・コンとミニ・シアターが各1館)。

これまででもっとも映画館で映画を観た時期です。

音楽も、ラジオでヒット・チャートを聴き、45回転のSP盤レコードを買いました。

大森レコード店で33回転のLP盤を買って大きなビニール袋に入れて貰うのは夢でした。ラーメン50円の時代に1800円もしたのですから。

そんなわが黄金時代にビートルズの歌がありました。3年時の英語の担任は、英文タイプでビートルズの歌詞を打ってくれたものです。

 

『オール・マイ・ラヴィング』を読んで、そんな遠い日々が鮮やかに甦りました。