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空の上には また海が

ひっさしぶりのブログ

最終更新が2月だから、3・4・5・6、え、4ヶ月ぶり?

ほんとに長い空白、すっかりご無沙汰してしまいました。

もう今年は半分過ぎたも同然ですね。おかげさまで体調は回復しました。

ずっと苦しめられた副作用の味覚障害も治って、食欲はありすぎるほど(笑)。

食べる歓びを取り戻したら、落ちた体重も戻ってしまったというね帰結(泣)。

 

しっかし人間げんきんなもので、退院当初は早寝早起きしていたのに、近頃はまた読書やらDVD鑑賞で、つい夜更かしなんぞしてしまうのであります。

戻ってきてから、『ゆれる』『リトル・ダンサー』『小さいおうち』などを観ました。

きのうはお風呂あがりの遅い時間に『光のほうへ』という映画を観ました。

よかった。デンマーク・スウェーデン合作映画です(マッツ・ミケルセンに魅せられて以来、デンマーク映画が気になります)。

悲惨な幼少期を過ごした兄弟の消えない傷や人生が痛い。原題は「SUBMARINO」水の中に何度も顔をつけられる拷問の意らしいです。

くるしい。

ニックと弟、弟の子マーティン。その命名。兄弟の幼少期と結ぶ最後に光が感じられてよかった。

全体に暗い印象でモノクロのような映像なのだけれど、彼らの瞳の色!ブルーが比類なく美しかった。

 

あっ、そうだ、色と言えば。

うらたじゅんさん作品集『冬のプラネタリウム』を読み(見?)ました。

表題作もいいですが、わたしは「海の夜店」と「おつかい」が好きです。

「海の夜店」は小学生の男の子、「おつかい」は小学生の女の子が主人公です。

(あ、それから「ホットケーキ」という小学生の娘の誕生日を祝おうとする貧しいけれど明るい母の奮戦ぶりも楽しかったです。)

白黒の漫画ですが、色を感じる絵です。

「海の夜店」は、おじいちゃんの初盆におかあちゃんと大阪から訪れている男の子の夢や不思議な体験が詩情ゆたかに描かれています。

方言がよくてよくて。

 

そのなかに

“空の上には

また海があるの

かもしれへん

空の上の浜辺で

おじいちゃん

不思議な夜店してるねん

きっとそうにちがいない

夢でみた夜店屋さん

おじいちゃんに似てたもん”

という文が素敵な画中にありました。

“空の上にはまた海が”あるのを、わたしも見たことがあります。

道東の女満別空港から小さな小さなプロペラ機(おおきな鳥くらいの)に乗って函館へ帰ってきたときのことです。

雲の上に夕陽が輝き、雲の海を朱く染めていました。

それはそれはきれいで極楽浄土のようでした。

むかし登った恐山の宇曽利湖を思い出しました。

宇曽利湖は山上にある水海です。その名も極楽浜という美しい色の空の上の海です。

 

うらたじゅんさんの漫画は、こんなふうにいろんな思い出や情景を呼び起こしてくれます。

とりわけ、ちいさい子が出てくる作品がすばらしいと思います。

忘れていた微妙な感情が蘇ります。

ぜひ、ご覧になってください。

 

冬のプラネタリウム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『冬のプラネタリウム』

北冬書房 (本体2000円+税)